黒石をつなげる打ち方を習得しよう

黒石をつなげることに集中しよう

9子局の黒番でのコツは,「【囲碁の9子局(星目)の打ち方】黒石をつなげることに一点集中してみよう」が判りやすいです。本局の黒番の出だしは,下図に示すように,これに則ったものになりました。


白「7」(白石に小さい赤丸が付いた石)に対する Leela の推奨手は,上図の赤く輝いている場所です。黒「8」は,赤く輝いている場所に黒が打つと,白から黒「8」の場所にハネられて黒石が分断されるのを心配したからと思われます。
 しかし,そのときは「q15」に切り,白「o15」伸びのとき,黒「r15」に出て右上隅で生きてしまえば良いのです。「黒石をつなげることに集中」と言っても,相手が無理やりに切断してくる場合は,個別に生きる必要があります。そうすれば,無理な切断の結果,白は弱い石が2か所にできてしまいます。

「実力差があるときの打ち方」を考えましょう

左側の「次の一手の棋譜並べ」には棋譜の終局図が表示されています。そこで,手数窓 No. に「10」を入力し,「Jump」ボタンを押すと,下図のようになります。


上図の黒「10」は,Leela の推奨手の第一候補です。しかし,この黒石は周りの黒石から離れているため,白から攻撃対象にされる危険性があります。
 そこで,下図の黒 ① に打つのが良いでしょう。下図の白石に小さい赤丸が付いた石は,上下の星にある黒石を分断しようとしています。どちらが弱い石でしょうか? 右辺上部にたくさんの白石があることを考えると,上部にある黒石が弱いと考えられます。そこで,黒 ① に打つのが良い手になります。


上図の黒 ① がくると,右辺上部の白一群が弱くなります。そのため,白は ② のように安全を図りますが,すかさず,黒 ③ のように,上辺に備えるのが好手になります。白に先駆けて,黒模様を守ることを心掛けると,あとで白が打ち込んできたとき,それを攻めるのが楽になります。この例のように,Leela を活用して検討する場合,その後の展開図を見て,自分の棋力を鑑みながら打ちやすい展開になるかどうかと考えることが重要です。

白への応手を手抜きできるかを考えましょう

上図は,白 ② に対して,黒は手抜きをして,黒 ③ のように打っています。このように,白への応手を手抜きできる場合はしばしば現れます。
 「次の一手の棋譜並べ」で,手数窓 No. に「21」を入力し,「Jump」ボタンを押すと,下図のようになります。


上図の白「21」に対して,黒が手抜きしたらどうでしょうか? 黒「18」の左に白から抑えられても,右下の黒はすでに生きています。このような場合は手抜きをして,上辺の緑色の場所に打つのが良いです。この場所は,前図の黒 ③ でもあります。言い換えれば,9子局の場合,白の打ち込みに先んじて,このような場所に打って備える手が重要だと言えます。

「つなげる手」と「備える手」を習得しましょう

下図は,白「27」(白石に小さい赤丸が付いた石)を打った場面です。この白は,下辺中央の白「23」から左へ出ていく手と,左下星の黒への攻めを見ています。Leela の推奨手は中央の黒を補強する黒 ① です。これは,白「23」から左へ出ていく手に備えると同時に,黒 ⑩,⑫ とをつなげる手です。想定展開図に見られるように,左下星の黒は中央へ伸び出すことで,中央の黒につながって安全と見ています。


下図は,白「47」(白石に小さい赤丸が付いた石)を打った場面です。この白は,下辺の白一群と右辺から中央の白一群がつながっただけで,黒に響かない石です。このような場合,黒は手を抜いて大場に備えることを考えましょう。前々図で示した上辺の緑色の場所でも良いのですが,Leela の推奨手は緑色の場所から左に寄った黒 ① でした。このように備えているところに,白 ② と打ち込んできたら,黒 ③,⑤ のように攻めながら,上辺から中央に大きな模様を作ることができます。


この後,白は上辺に打ち込んでくることでしょう。そのときは,黒「k17」などの場所に1回受けた後,白の対応を見ながら,黒「r17」に打つことを優先しましょう。打ち込んできた白石と右辺の白一群を攻めることで,白を取ることができなくても,周辺の黒地を固めることで優勢を築きましょう。